Iです。
コペンハーゲンCOP15後、最初のUNFCCC会合(AWG)がドイツ・ボンで始まりました。金・土・日の日程、参加者の方々は本当にお疲れ様です(また、つまんないボンだし)。しかし、報道を見る限り、日本もイギリスもあまり関心高くないようですね…。バリCOP13の後のバンコクAWGが、異様とも言える注目を浴びていたのとは対照的です。いわゆるclimate fatigueを感じずにはいられません…。イギリスはまあ総選挙一色という面もありますが。
BBCによれば、初日の今日は、交渉の透明性を求める声が相次いだとの由。まあ、コペンハーゲンの経験を踏まえれば当然とも言えますし、小さな国の立場を思えば、ドアの向こうで物事が決められちゃかなわん、という気持ちも分かる。他方で、人口・資金力もこれだけ違う190カ国が一国一票で交渉している国連の仕組みに違和感を覚えることも事実。学級会じゃあるまいし。コペンハーゲンCOPのしょうもない進捗を見て、COP初参加の同僚達が辟易している姿が私には逆に新鮮だったのですが、たぶんその「ありえない」感の方が正常で、もはやUNFCCCは機能していないんじゃないかとさえ思う。条約事務局によれば、バリCOP以降のAWG開催に、既に30百万ドルが消えたらしい(COPは別です)。各国参加者の旅費・人件費は見当もつきませんが、ものすごい税金が投じられてるということ。出張者のフライトから排出されるCO2もすごいよねなんて、笑ってる場合じゃないです。
気候変動の各国交渉官は、KYOTOの頃からこの世界を見ている人が多くて、こういうのを当たり前のように思っている節があるけれど、何か根本的な解決策はないんでしょうかね。UNFCCCの枠外で、やる気のある国だけで「儲かる仕組み」を作って、その枠組みに入らないと損をするようにしないとダメだと言う人もいますが、具体的にどんな仕組みが想定されるか、私はno ideaです。。。米国のcap-and-tradeも瀕死ですし。
ただ、少なくとも現段階ではUNFCCCでやろうって言ってる以上、米国も、いくらコペンハーゲン・アコードがオバマの作品だと言っても、ここから一切交渉の余地なしってあからさまな態度で途上国の反発を買っちゃしょうがないじゃん、と。きれいごとかもしれませんが、それでもやっぱり、先進国・途上国間の信頼関係が、歩み寄りの基盤じゃないかと思うんですけどねえ。
今月はアメリカでMEFもあるようですし、5月にはまたドイツで閣僚級会合ですが、どうやらCOP16での議定書採択はないという見通しがもっぱらの模様。しかし、COP17となると2011年末。2012年の第一約束期間終了までに次の枠組みが発効することは絶望的なわけで、gapはどう埋めるのでしょうか。京都議定書延長論も現実味を帯びているようですが、2050年頃には絶対現役じゃないようなオジサン達ばかりでダラダラと交渉を続けるのは、なんだか滑稽な感じすらします。期待値を上げ過ぎたコペンハーゲンの失敗を肝に銘じるとしても、カンクンの期待値が低すぎては、決まるものも決まらないのでは、という気も。
さて、試験勉強に戻ります。