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2009年から2年間、大学院で環境関連学を専攻するため、イギリスにやって来た私達の話 This blog is about us(U&I) coming to UK in 2009 for Environmental Study at master level for 2 years
by uk-env
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おばあちゃん家にホームステイ
Uです:

冬休みも終わり、つい昨日から大学が再開しました。といっても今期も10週間しかなくこれで授業が全て終了なのは何とも早い気が。とはいえ、今週1週間はリハビリのような感じです。

さて、先週の金曜から二泊三日のホームステイにいってきました。 これは前回紹介したHOST.UKによるものです。行先はケンブリッジよりもさらに北にあるノーフォーク地方。最寄駅のDownham Marketまではロンドン・Kings Cross駅から通常、電車で約1時間半くらいで着くところ、当日は、雪の影響で2時間半かかりました。

駅に到着後、改札出ると誰も待っていなく、あれ?!と思った矢先に車から手を振るおばあちゃんの姿が! 私達がメールのやりとりから想像するに30代くらいと予想していところ、よい意味で期待外れでした。名前は、バーバラ[Barbara]。以前はケンブリッジで動物愛護の研究していた博士号をもつおばあちゃん。今はリタイアして、ガーデニングツアーのビジネスをしているそうです。

まず連れて行ってもらったのは、駅にほど近い、イングリッシュティーの小さなカフェ。本当にラブリーなカフェで、食器からカフェの家具からアンティークっぽいものばかりを使用しているカフェ。そこで、ティーとチョコレートケーキを注文。英国流は、最初にミルクを入れてから紅茶を注ぐ、とのことで、おばあちゃんが、ミルクから、しかもじゃぶじゃぶ入れているではないか!!! やはり、イギリス人ならではの紅茶の入れ方なんだと実感。おばあちゃんはそんな私たちを残し、スーパーへお買い物。どうも郊外に住んでいるようで、スーパーには2週間に1回の買い物をするらしい。

目指す家には、そこからさらに車で30分、Oxboroughという村にあるコテージ。周りは完全に牛や羊の放牧、ハニービー畑に囲まれた完全な田舎です。私達が泊まる部屋へと通されると、何と広いゲストルームに驚き!しかも、おばあちゃん一人で住んでるのにバスルームが3つあるではないか。さらに、煖炉がついている家にお邪魔するのも初めての体験。
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夜は、車で近くのパブで夕食をとり、完全なるフィッシュ&チップスでした。うーん、家庭料理のように実感し、バーバラのお友達夫妻がパブへ遊びに来ていて、一緒に団らん。なかなかイギリス人と意外とロンドンでは出会えないので、田舎もいいなぁと、人もやさしいし、近所付き合いが最高です。
それもバーバラの人脈なのかもしれません。帰りは、バーバラの車が雪のせいで調子が悪くなり、隣のトレバーが車で迎えに来てくることになり、ビールをバーバラがおごっていました。しかも、私達がホームステイで来ていることをトレバーに教えたら、明日4WDの車貸すから好きに使ってとやさしくバーバラに提案していた。なんとやさしい人が近隣に住んでるのかと、しみじみ人の温かさを実感しました。

翌日は、車で20分ほどで着く、Swaffhamという街に連れて行ってもらいましたが、雪の中大変だったので、長靴と分厚い新しい靴下を貸してくれました。確かに、ブーツを持ってきなさいよ、とロンドンにいる時に言われたのですがまさか長靴だとは。確かに、こんなに雪をかきわけて歩くのは初めてくらいに積もっていました。 街並みや教会そして、バーバラの予約した本屋さんに行くと奥には小さな本屋に併設された小さなカフェ。またまた、バーバラが連れてきてくれて今度はコーヒーと メレンゲがスポンジの代わりになったブルーベリーのケーキを注文。本当に美味しくて、ティーカップもかわいい。
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次に向かったのは、この町の外れにあるエコテクセンターに。あいにく閉まっており、バーバラもよく知らなかったみたいですが、後で調べると、エコベンチャー企業に限定した企業誘致用テナント施設のよう。象徴的に風車がぐるんぐるん回っていました。しかし、自然と歴史あふれるカントリーサイドで環境事業を行うのは、ワークライフバランスからみても理想的なのかもしれません。羨ましいなあ。

さらに、程近くにあるキャッスルエーカー・プライオリという遺跡に連れて行ってもらいました。一言でいうと、千年前に建てられた修道院(Priory)とお城(Castle)の残骸なのですが、雪が降り積もる中行ったので、プライオリには人っ子一人いなくて、あるのは雪に残るウサギや動物の足跡のみ、といった幻想的な雰囲気。キャッスルは今はただの小高い丘になっていて、雪が残る中、地元の子供たちがソリを片手に上っては滑って、を繰り返している、アミューズメントスポットの様相。近くにこんな遺跡があるのはこの辺りに住む特権ですね。
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夕方に家に帰ってからは、バーバラから家庭のスープ作り方を教わりました:トマトベースでポテト、人参
何でも好きなものをミキサーのようなもので混ぜ、鍋で温めて出来上がり(下味にスモークベーコン)と、とても シンプルだけど飲んでみると温まり、ほっとするスープです。その後、煖炉の火の焚き方を教わりました。おもしろかったので、ちゃんと空気の通るような道が作られていて、その空気口から煙突に空気が流れるようにできている。 煖炉には一番下によく燃えるような新聞紙などの紙をまるめて入れ、次に小枝をふんだんに使い、大きな木を切った短い太い木を入れる。火が強くなると石炭の石で調整しながら入れると、ほどよい火になって体が暖まってくる-----。煖炉最高! ロンドンの大学寮にもほしいぐらいですが、まあ必ず誰かが火事を起こすでしょうが。
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夜は、昨日パブであったご夫妻の家へパーティーへ行くからと言われ、煖炉の前で昼寝したあと、バーバラから、「イギリスのパーティーでお呼ばれしたら、女性は[花]と男性は[ワイン]をプレゼントとして持って行くのが習わしよ」と教わり、昨日スーパーマケットで既にそれに必要なものを買っていたことを思い出し、すごく計画をねってこの町でホームステイさせてあげようと思った気持ちがひしひしと伝わってきた。

家に訪問し早速プレゼント渡すと、なんでこういうこと知ってるの?と、驚いている様子。そりゃそうだ!バーバラからわたされなければ、何も知らなかったのだー。 イギリスのサンデーランチという教会後に食べるイギリス伝統料理でおもてなしをされましたが、これが美味しいのなんの。グレイビーソースのかかるローストビーフによく茹でられた野菜、そしてヨークシャプディングと素材を生かしたやさしい味。その後は、チーズ、デザート、コーヒーとフルコースで、家庭料理でこんな豪勢に毎週末楽しんでいるのは羨ましいと思いつつ、手がかかるため昼に間に合わず、最近はサンデーディナーに変わってきているというのも納得する話でした。
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この訪問した家も500年ものの古い建物らしく、元々、葬式の時に念仏を唱えることを生業とした聖職者が住んでいたため、ワインを洗うための当時のシンクが、チューダーローズの紋章とともに、備えつけられたりしている。日本で500年ものといえば、国宝物で国の財産として指定されるくらいの古い建物だが、素材の違いと地震などの天災の有無、それに中古の住宅市場の違いが影響しているんだと思う。日本は家ごと売っても土地の評価に対して建物が悪影響することも多く、イギリスのように建物の評価がきちんとされないという話にみんな驚いていた。ジェフ・バーご夫妻はもともとロンドンに住んでいて、グラマースクールで経済の先生などをされていたとのこと。みんな経済関係や歴史関係はかなり詳しくて、会話に花が咲きました。
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息子さんも日本で英語の先生として働いていたようで、夫妻も10年前に遊びに来たことがあるらしく、日本のことも詳しい。 いきなり[モンキーマジック]って知ってる?って聞かれ、もちろん知ってるよと答えると昔モンキーマジックが有名になる前にドラムを息子が担当してたのよと言われ、かなり衝撃的でした。トム[息子]当時は、かなりもてていたらしく、ご夫妻が訪問した日本の彼女の家も何人も彼女のいるうちの一人とお父さんが自慢げそうに写真を紹介している姿がほほえましい。煖炉の前で大人達だけのゲームや談笑をし、ピアノを弾かされるとハプニングもありましたが、気付けば深夜1時近くになり、お暇することに。車で戻ると驚くことに
野鹿や野うさぎをみつけ感動!!!!すごいサファリパークのようです。
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最終日は、Oxburghの教会や昔のお城(Oxburgh Hall)に連れて行ってもらいました。教会は昔は今の3倍くらいあったようですが、塔がぽっきり折れてほとんどの建物を壊してしまったそう。お城の方は、今もナショナルトラストが管理するだけあって、濠に囲まれた美しいカントリーハウスでした。雪のつもった所々の足跡には、 野うさぎやしか、さらにはキツネもいるようで、足跡だけどわかるとは、さすがバーバラあっぱれでした。
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バーバラは年齢不詳ながら、朝から早起き、車も自分で運転し、庭づくりにも精を出すなど元気活発、また、発音の不備があるとBatterとButterの違いを早口言葉風に指摘してくれたり、あなたの喋りは早すぎるからもっとゆっくり喋りなさい、と注意してくれるとても聡明な印象でした。ただ、「インターネットのホームページ設定方法が分からない」とか、携帯電話を持ってきて「これ壊れちゃったんだけど、SIMカードの登録の仕方を教えて」といった話をしている姿を最終日に見て、日本にいる普通のおばあちゃんと変わらないんだな、と妙に安心しました。

今回のホームステイで心温かく迎えられ、また、近隣の人達のやさしさで助け合っているところに、素敵な滞在ができたことは、本当に幸せでした。自分の田舎に帰った時のことを思い出すようないい体験でした。イギリスのおばあちゃん、どうもありがとう。
by uk-env | 2010-01-12 19:10 | ホームステイ
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