2009年から2年間、大学院で環境関連学を専攻するため、イギリスにやって来た私達の話 This blog is about us(U&I) coming to UK in 2009 for Environmental Study at master level for 2 years
by uk-env
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留学の終わりと新生活 The end of UK eco study and the beginning of new life in Tokyo
Uです:

7月24日に東京に戻ってきました。これで2年間の留学生活も完了です。最後に、イギリスで2年間環境を学んだ上で思うことを述べて、今後の抱負とさせていただこうと思います。
I was back to Tokyo on 24 July when was the end of my 2-year study abroad. This is my final article and to describe how I feel after UK study.

1.【留学して思う今後の日本の環境対策の課題 Challenges in Japanese environmental policy】

① 今後、特に対策を強化していく必要があると感じた分野 Policy areas where strengthening policy is needed

・海洋環境保全(海洋生態系の保全) Marine environment ・・・ まずはホットスポットを中心に我が国周辺の海洋生態系の状況を把握し、沿岸のみならず遠洋についても海洋保護区などの保護管理政策を導入することを検討。

・持続可能な消費 Sustainable consumption ・・・ 海外からの森林資源や漁業資源の輸入等に伴う枯渇・環境破壊を防止する対策として、現地における汚染者負担やPES(環境保全活動に対する支払い)の仕組み構築を支援(外部不経済の内部化)。

・生態系の経済学 Economics of biodiversity ・・・ 我が国の生態系サービスの価値を明らかにし、それが失われた場合の逸失利益を示す。

・国民レベルのカーボンフットプリント Nation-level carbon footprint ・・・ 製品のカーボンフットプリントにとどまらず、我が国全体のフットプリントを示し、最終的には地域別(市町村別)や一人当たりのカーボンフットプリントベースのCO2排出量を積算・公表し、低炭素サービス・商品への志向を促す。

・国際環境法 International environmental law ・・・ 気候変動問題の国際訴訟・紛争リスク(途上国から先進国への補償請求、排出差し止め)、WTOと環境条約などの国際環境法の整理、

② 今後の国レベルで環境行政を進めるに当たっての改善が期待される点 Points to improve in national level environmental policy

・環境「調査研究」省としての将来に渡る科学的・経済的な環境状況の徹底的な調査・把握と公表・世論の醸成を行う機能への注力(温暖化影響、生物多様性、循環型社会など)
Scientific research and investigation on the present and future environment

・廃棄物政策等あるゆる政策立案に当たっての経済影響評価を行うと同時に、環境政策以外の政策立案に当たっての環境経済評価を行う仕組みを構築する
Economic analysis for environmental policy making and environmental economic analysis for the other policy making.

・海外先行政策研究情報のアップデートを随時行う
Update of the information on advanced environmental policies oversea

・政策提案・ロビー活動を行うNGOsやシンクタンク、環境活動団体の活性化、プロフェッショナルな研究をする大学関係者等の更なる連携を測ること
Promotion for the proposal and lobbying by think tank and E-NGOs as well as further collaboration with professionals such as academic researchers

・組織的には、エネルギー政策・都市政策・農林漁業政策・経済産業政策のエキスパートの必要性、省内環境エコノミストの育成
For institution, there is the need of experts in energy policy, urban policy, agriculture and economy and environmental economists.

・個々の職員にあっては、法的・経済的・科学的な観点からの総合判断・意思決定能力を養うこと
For individuals, to acquire overall judgement and decision making skills from legal, economic and scientific view points.

・無用な業務の削減と政策的業務への集中投下、ブラックベリー・iフォンなどITの活用と徹底的なペーパーレス、自宅勤務等のフレキシブルな職場、超短期休暇の取得や計画的な業務遂行などのワークライフバランスの確保
Secure work life balance - avoiding unnecessary tasks and focusing manpower on policy making, making paperless through IT such as blackberry and i-phone, achieving flexible work style including "home work", allowing long term holidays and working on the basis of a work plan.

2. 【自分自身のライフワーク My lifework】

① 持続可能(自給自足)な環境調和型生活を老後の暮らしの中心に
Establish the society where a silver's life is with sustainability and environmental harmonization

② 環境被害が金銭被害として、広く賠償される世の中に
Establish the society where environmental victims can get compensation from causing people.

③ 政策の立案・フォローアップに際して環境コスト・ベネフィットを実施して説明責任を果たされる世の中に
Establish the society where environmental accountability is fulfilled through environmental cost-benefit at the policy making and review stage.

3. 【留学後も続ける必要がある勉強 Studies which I might want to continue after this study】

・マクロ経済学(Macro Economics)、国際経済学(International Economics), 政治経済学(Political Economy)、一般応用均衡分析などモデリング(General Equilibrium model)、国際関係論(International relations)、意思決定論 (Decision making)、国際法 (International law)
・Plus, 英語(English), 中国語(Chinese)

最後に、2年間を通じて環境に携わる人がいるこの世界は以外にも狭いものと感じましたので、世界を股に駆けて環境の仕事がしたい場合、留学は大変貴重な経験となると思います。
Finally, I realised that this world is not that big as we may assume especially in the environmental field. So if you like environmental work with people around the world, study abroad is definitely one of the promising options.

私は私で、日本の環境行政機関で炭素税など環境税制の担当として、政策を進めていきます。
I have got responsible for and promoted environmental taxation especially carbon tax.

では、頑張ってください。OK then, good luck!
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by uk-env | 2011-07-31 16:55 | 環境(Eco)
ロンドン短期滞在と生活品のリサイクル
Uです:

Iさんは帰国してしまいましたが、私は今日いっぱいまでロンドンに滞在してから東京に帰る予定です。

短期滞在先は前回ブログに書いたWest Acton、聞くところによると実は日本の方が一番多く住まれているエリアなのだそうです。たしかに駅前には日本食材屋さん(Atari-ya)と日本惣菜屋さん(Yoyo弁当)があり、日系不動産屋の案内も。町も安心した雰囲気なので大変住みやすいといえ、特に日本から最初に来られる場合、そして日本が恋しくなる最後の時などに滞在されると良さそうです。
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また、駅から近くには景観保全地区があり、落ち着いた町並みを楽しむこともできます。
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最後に、生活品は可能な限りリサイクルをしようと、友達に上げたり、Oxfamなどのチャリティに持って行ったり、MixbGumtreeで売っていたりしたのですが、こちらで買ったノートパソコンとモデムについては、徒歩圏内にある日本のリサイクルショップ「ベルりびんぐ」に持っていくことにしました。結構良心的に買い取ってくれたのと、日本の方が残していった生活用品が結構置いてあったので、近くに来られた際には、気軽に行かれてみたら良いと思います。

ちなみに、Gumtreeでモデム引渡しを募集した際、詐欺に遭いそうになったので注意喚起まで。相手の特徴は、現在近くにいないので引き取りに伺えないが、ナイジェリアに住む友人・子供にプレゼントしたいので、直接郵送して欲しいという決まり文句。支払いはBank of America経由で行いたいと行ってきて、参照番号が付いたメールが送られてきますが、メールアドレスはバンカメのものではないフリーメールのもの。こちらが郵送をした後にその参照番号を使ってお金が引き出せるという話ですが、いかにも怪しいです。類似の事例はYahooオークションでもあるようなのでご注意を(コチラが参考になります)
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by uk-env | 2011-07-22 18:08 | ロンドン生活(London life)
Good bye Brighton, Hello again Tokyo
Iです。

2年間のイギリス留学を終え、7月21日に帰国しました。大学のコース半ば(修論の提出期限は9月中旬)の帰国だったせいもありますが、イギリスを離れる際は、まだやり残したことがたくさんある気がして、後ろ髪を引かれる思いが80%というのが正直な気分でした。

最後にビーチ沿いをお散歩…
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暑さを覚悟していた東京は、ラッキーなことに予想外の涼しさ(明日からまた30度超らしいですが)。見慣れた街並みのはずなのに、単に久しぶりだからか、この2年で自分に何か変化があったのか、少し違って見える気がします。

- 特に好きでもなかった日本の伝統家屋。成田からの道すがら、美しく見えたのは、ただ箱を並べたような現代的な家々ではなく、水田の向こうにたたずむ重厚な伝統家屋でした。
- いい年したカップルの女性が、彼に「にゃんにゃん」甘えている姿に衝撃。カップルのイチャつき具合ではもちろんイギリスが圧倒しますが、そういえばこの手の甘え方はこの2年間お目にかかりませんでした。
- 恥ずかしい話ですが、微妙に、見知らぬ日本人との距離の取り方が分からない。イギリスでは、ホテルでもレストランでもかなり最大限の笑顔を振りまいていた私ですが、それって日本じゃ変かも…とか思って、必要以上に硬くなっている気がする。

ホテルから見る早朝の東京。帰ってきたんだなあ…
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by uk-env | 2011-07-22 09:30 | 帰国準備(Return)
York of Duck/Goose ヨーク耳寄り情報
Uです:

ヨークに来られる時の観光・生活情報をまとめて掲載しておきます。参考にしてください。
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【観光編】

まず観光の基本情報は、ウェブならココで、または到着後、市内のインフォメーションセンターで手に入ります。

ヨーク市内であれば、
ヨーク大聖堂は外せないとして、街全体を城壁 が囲んでおり、その上を一周1時間半・半周なら30~45分くらいで歩けるのですが、ヨークの街の雰囲気が分かって、個人的にお勧めです。(詳細はコチラ

・博物館ならキャッスルミュージアム、さらに駅近くであれば鉄道博物館 (帰り間際に行くと丁度良いです)がオススメです。

・観光途中のティータイムはGray CourtまたはBettys、食事であればThe Old White Swanがそれぞれ雰囲気があって、美味しいと思います。その他1400年代から営業しているパブBlack Swan はサービスはイケテませんですが、とてつもない量の肉を食べることができます(Black Swan famous mixed grillを頼んでみてください。)
・ショッピングならStonegateが表参道として賑やかです。

ちなみに、ヨーク中心部は歩行者天国(pedestrian zones)になっていますが、その面積はヨーロッパ随一だそうです。(詳しくはコチラ)

また、ヨーク郊外に足をのばしても見所がたくさんあります。

Castle Howard は市内からバスで1時間行ったところにある貴族の屋敷。広大な庭と豪華な建物に圧倒され、貴族の生活を一日かけてのんびり楽しめます。映画・ドラマ(Brideshead revisited)の撮影場所にもなったそうです。
(写真集はコチラ
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North York moors は市内から1時間程度車で北上すると見えてくる静岡県程度の広さの国立公園です。Moorsと呼ばれる低層木が広がるイギリスらしい風景が楽しめます。復刻鉄道としてSLにも乗れるので、鉄道ファンでなくとも興奮すること請合いです。港町として有名なWhitbyも近くにあります。
(写真集はコチラ
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Fountains Abbey は市内からバスで1時間半程度西に行ったところにある世界遺産。中世に絶大な権力を誇った修道院の成れの果てを見ることができます。鹿に囲まれた公園もキレイで散策するのに最適。帰りにこじんまりとしたHarrogateにも寄って帰れます(詳細はコチラ


【生活編】

・家探しなら、オススメの不動産屋はCity Lets。 ホームページからの物件検索がしやすいのと、きれいな物件が市内に揃っている気がします。

・買い物は質によって場所を選べます。安くて大量に食べたい時はMorrisons 、質がいいもの(特に硬くないお肉)が食べたい時はWaitrose がオススメです。
また、中心部には生鮮食品などを扱う青空市(New Gate Market)もあり新鮮で安いものが手に入ります。特にマグロや鯛はここでしか手に入りません。

・市内のレストランは吟味が必要です。
- イタリアンならPiccolino (キノコのリゾットがオススメ)かIl Paradiso (ピザなど安くて美味しいです)、
- 中華ならRed Chili (ランチのセットメニュが手頃でオススメ)、
- タイならThida Thai (トムヤムクンヌードルも頼めば作ってくれます)
- 日本食レストランは一件だけ、Tokyo Joe (味はまあまあですが値段は高めです)。
なお、安くて美味しいしお店の特集もあるみたいです。
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by uk-env | 2011-07-15 16:44 | ヨーク生活(York life)
How seriously should we tackle climate change?
I have been asking anyone to participate in my survey on global climate policy for my dissertation. (See here )

My dissertation will tackle the core argument on that “how seriously developed countries like Japan and EU should deal with climate change issue” from the view point of economic efficiency.
To be more concrete, this research will look into the following sub-questions by highlighting the likelihood of emerging international carbon tax, its tax rate and revenue use:
- To what extent are people over the world willing to accept the compensation for harming “far-distanced” victims by their pollutions as a form of “polluter pays responsibility”?
-How can climate economics contribute to this global consensus making?

Here comes the idea on the introductory part of my dissertation.

The first is my awareness of the issues.

Looking at Japan, the momentum for the current domestic climate policy has been derived from the ratification of Kyoto Protocol which requires industrialised nations to take a responsibility against climate change and Japan to reduce Green House Gasses (GHG) by 6% below the 1990 level by 2012. It is said that This national target is likely to be achieved thanks to the economic recession and the recent mega earthquake and tsunami in Japan.

On the other hand, climate change is regarded as a long-term issue (over 50 years). Thus, in order to keep climate policy ahead, global agreement on climate policy after 2012 (that is “Post-Kyoto protocol”). However, we have yet to reach a consensus on how strongly to take mitigation actions, as well as who to take a responsibility for accelerating climate change and how much to “support” the victims of climate change.

In this context, by focusing on social cost of carbon - internationally identical barometer, I would like to highlight to what extent people from different sectors such as academia, governments, NGOs, and the public over the world understand and approve international carbon tax as a global policy, comparing different opinions and suggesting policy implications in global climate policy arena.

The next is background.

Climate change is typical externality problem (Stern 2007). If so, the measure internalising the externalities of carbon emissions, comparing that internalised cost with abatement cost (i.e. CO2 reduction cost) and, choosing the cheaper one can achieve the most economic-efficient state. To be more precise, by comparing “marginal abatement cost of CO2 reduction by 1t” with “marginal damage cost by 1t CO2 emission”, we can decide which is more economically preferable. The equilibrium in both curves should optimise the social welfare and find the value (per 1t CO2) called social cost of carbon.

The externalities in this context are the damages derived from climate change. Those are caused by flood, drought, tsunami, tidal wave, typhoon, sea level rise causing loss of land, change in temperature and precipitation leading to negative effect on agriculture and ecosystems, the spread of infections, and increase in refugees and conflict so on. Also, it is said that developing countries, those more dependant on the nature, especially Sub-Sahara and small islands nations are more likely to suffer the severe damages by climate change (IPCC 2007).

If these “economic” damages are clarified, we can weigh the marginal damages against marginal abatement costs for the optimisation. But it may be difficult in reality due to the characteristics of climate change – globally scaled and long-lasting.
First of all, the source of greenhouse gases and the damages of climate change are likely to be segregated each other both geographically and temporarily. Second, the damages of climate change appear wide-ranging from within the current market values to the values of ecosystem services, the price of heath and life, and the damages of social disorders by conflict, refugees and wars etc. Thus, capturing all the market and non-market values associated with the climate damages should be challenging especially in developing nations where the capacity building for research is relatively required.

Furthermore, the economic damages of climate change depends on the degrees of occurrence of climate change such as rise in temperature. Actually we have various estimate of occurrence of climate change (e.g. rise in temperature from less than 1°C to up to 10°C) even under the current emission level. But it is uncertain how much GHG are emitted into the air in the future as being affected by economic development and climate mitigation efforts which are not for sure. In other words, there is a small possibility that catastrophic destruction is raised in the future by climate change. So the problem is to what extent we should take into account of such risk (potential gigantic economic damages) for our decision-making.

From the temporal perspective, the long period of climate change may call for discount rate in economic analysis on the damages of climate change, which is really controversial. There are different concepts different economists primarily focus on – one guy likes actual market interest rate the most, another social discount rate, declining discount rate, and social equity between the current and future generations.

On the other hand, there is a limitation of estimating the marginal abatement cost. Firstly, it is needed to cover all the abatement measures with certain technology. Secondly, to calculate the cost of those measures in the long run, we need to project the degree of technological development and the expansion of such markets which strongly affect the cost.

Under those constraints, several research projects have estimate the damage costs and marginal abatement costs associated with GHG emissions. In addition, the current research has revealed that the damage costs will be diminished if adaptation measures are applied. Based on those figures, scientists such as IPCC and Stern review have estimated the carbon price (social cost of carbon) at the global scale.

If the carbon price imposes on carbon consumptions through namely carbon tax or emission trading systems, GHG emissions can be more or less reduced. However, it is needed to bear in mind that even after carbon pricing, the damage of climate change should emerge. Because CO2 emissions should not be stopped by internalising the externalities, resulting in deteriorating climate change.

Therefore, it may be required to redistribute the revenues raised by carbon pricing to the victims of climate change: this is the idea that, even though the damages occur, they are compensated for by cash. Based on this idea, United Nations (2010) has proposed that the world government especially an industrialised nation should introduce a carbon tax globally, financing for adaptation and mitigation actions in developing countries that are likely to incur the climate damages by its tax revenue.

By the way, there is no domestic and international scheme to rule the compensation for climate damages. So, one may claim that people who cause climate change do not necessarily compensate victims of climate change. In this context, there are several legal actions launched in the US, demanding large emitting industries to stop GHG emissions and indemnify damages in accordance with their responsibilities. Soon or later the judicial decisions will be made but the fact that carbon dioxide has been identified as pollutant by the Federal Court would be enormous push for the win. On the other hand, the backlash against the lawsuits should be the fact that the momentum of tackling climate change has decreased as the Democratic party lost the last election – such legal judgement is highly political.

At the international level, it may be needed to look into the precedent of a legal scheme that coordinates a request for indemnity from a nation which suffers pollutions caused by the other nation. If not, it also may be necessary to consider the possibility to establish such scheme from a legal perspective. If so, we may need to look at what kind of complaint-resolution entity should adjust a case for the indemnity.

Also, the world politics should be changed drastically – e.g. the expansion of the summit from G8 to G20, the downhill of US and dollars as key currency, emerging BRICS, the projection that Indonesia will pass Japanese economy soon or later. Africa should become more affluent. Under the current UN’s consensus rule, how is international adjustment made regarding climate change where developing countries have relatively “disadvantages”? What is the likelihood of obliging emitting countries to make a monetary payment to suffering countries in accordance with their GHG emissions? How about the surge of environmental NGOs supporting this idea under the name of “ climate debt” in international political arena?

If there is a high risk of the occurrence, we may want to consider how and when to raise finance for such payment. For instance, if it is quite likely that such payment is obliged 20 years later, one idea would be to collect required amount of resources 20 years later by taxation or levy. However, this idea may be criticised as unfair between generations because such payment results from 20-year emissions from now on. On the other hand, the potential problem in raising compensation fund now for the future payment should be efficiency and opportunity cost – i.e. how to manage those financial resources for the next 20 years: how to get enough return by its investment, how to minimise the opportunity cost etc.

It seems that those factors are what we have to take into account when making a decision on climate policy from the view point of economic efficiency. From this perspective, climate policy should be stuck if…
1)Climate damage costs are tiny while abatement costs are huge,
2)The damage costs are huge in the future but those present values are small as a result of a discount rate, or
3)The present values of the damage costs are huge but it is not always necessary to care about those costs when emitting CO2, because there is (will be) no legal obligation to compensate to the victims.
These may be the main reasons why climate policy has not shown significant progress for a while.

Let me think of Japan’s case. The damage costs in Japan are relatively small. On the contrary, the abatement costs are regarded as the most expensive in the world. Thus, from the economic perspective, it may be better to take “moderate” climate actions domestically or contribute to cheaper climate actions abroad. The pledge to reduce GHG emissions by 25% by 2020 might be a “political suicide”.

This means that if one would like to take climate actions against regardless of economic efficiency, such momentum should be derived from the other sounds. One possibility is moral – some cannot stand with the fact that they pollute and harm poverty and ecosystems. Another is diplomatic strategy to show one’s presence – some nation’s contribution to the international community in climate change agenda can be achieved by its own pledge: that is to set up high domestic national target, and promise financial supports and technology transfer to poorer nations.

It can be thought that the other motivation is to create investment opportunities so as to stimulate the economic development. Especially for developed nations, there are already plentiful goods and services so development projects are relatively scarce compared to emerging countries namely China. Thus, it may be effective to transit to low carbon economy / green economy in order to create new demands . It is said that a large amount of money has been seeking for safe and highly profitable investment projects around the world.

The point here is whether climate investment is attractive rather than the other investment opportunities in this regard. That is, to stimulate the economy, high value-added monetary circulation is required but if there exist more profitable investment projects, investment on climate projects may yield the loss of opportunity. This matter is comparative so we need to look into the profitability of both climate investment and the any other investment around the world both at the present and in the future.

In addition, the matter of international competitiveness may come arise. Many claim that restricting CO2 emissions on industry, especially heave industry like utility, iron and cement which cannot help but consume CO2, should undermine the nation’s industrial competitiveness against the other countries’.

The matter of international carbon tax may be related to all the those issues thus should be really controversial. But understanding the perception of the people around the world on this should provide an important suggestion for how to tackle climate change globally. Now is the time when we need to argue above board and decide climate policy, based on such findings. Because climate change is buth only the international issue but also the domestic issue where we deal with.
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by uk-env | 2011-07-14 17:20 | 大学(York Uni)
豪で炭素税を来年導入 JULIA GILLARD UNVEILS CARBON TAX DETAILS
Uです:

※ 2011/7/12に更新 Revised on 12/7/2011

以下のニュースをお知らせしましたが、オーストラリア在住の友人曰く、この政府提案が議会を通る確率は半々で今後野党や緑の党との議論を通じてさらに詳細が明らかになり、国民の支持も確定するだろうとのことです。現在のところは国民の評判も上々とか。
Looking at the following news on Australian carbon tax, my friend living in Australia has told me that there is the 50-50 probability that the governmental proposal would pass the Congress - through discussion with the opposition party and green party, the details of the plan would be clarified more, followed by positive or negative responses from the public but so far so good.

オーストラリア政府は10日、地球温暖化防止対策として、温室効果ガスの排出に課税する事実上の炭素税を2012年7月に導入する計画を発表した。発電事業者やメーカーなど約500社から徴税する見込み。15年7月からは、欧州で行われているのと同様な排出量取引制度(ETS)に移行する。
 ギラード首相は記者会見で「炭素に価格を付け、クリーン・エネルギーの未来を創造する」と強調した。電気料金上昇など炭素税導入に伴う家計への影響を抑えるため、徴収額の半分以上を減税を含む家計支援に充てるほか、一部を業界のクリーン・エネルギー化支援などに回す。
 計画では、徴収額は導入時が排出量1トン当たり23豪ドル(約2000円)で、15年のETSへの移行まで毎年実質2.5%ずつ引き上げる。豪州は20年までに2000年比で少なくとも5%の排出削減目標を掲げている。
時事通信 7月10日(日)17時55分配信

Prime Minister Julia Gillard has unveiled the highly-anticipated carbon tax plan, making the low and middle-income families, single pensioners and other welfare recipients the biggest winners from the carbon price.

Launched at midday, Julia Gillard announced a package of $15 billion in tax cuts and increased benefits that will give six million households more in compensation that the carbon tax will add to their cost of living.

The households' costs of living will jump by about $10 a week or $515 a year, with electricity prices rising by an estimated 10 per cent or $3.30 a week.

Gas bills will go up by $1.50 a week and food bills by an average 0.80c a week.

The average assistance will be $10.10 a week, or $525 a year.

These increases to the cost of living, estimated to be 0.7 per cent, will result from the nation's top 500 polluters passing on their costs of having to pay for the carbon they emit.

"We will require 500 polluters to pay the price for every tonne of pollution they release into our air. Some of the costs that will be incurred by businesses will be passed through to households. This will enable six million households to get enough to enable them to meet the average cost of carbon prices," Gillard announced.
(Yahoo!7 and Agencies July 10, 2011, 5:21 pm)
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by uk-env | 2011-07-12 08:53 | 環境(Eco)
白亜の絶景
Iです。

ようやく修論の書き出し部分をスーパーバイザーに送り、ゆっくり朝寝坊した日曜日の午後、あんまりお天気が良いので、Beachy Headに行ってきました。

ブライトンから海岸沿いを東へ、真っ青な海を見ながらバスに揺られること1時間。有名なSeven Sistersの少し先にあります。大地の緑、空と海の青、チョークの崖の白、灯台の赤、のコントラストがあまりにも美しいです。
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ただし…この絶壁、この高さ。自殺の名所だそうです。世界でも、サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジ、日本の青木ガ原樹海に次ぐ「スポット」なのだそう(ウィキペディア情報)。確かに、崖の上のあちらこちらに小さな十字架があって花が手向けてあったり…。幸い、撮った写真に怪しい影はありませんでしたが。。

【行き方】
ブライトン中心部から13X番(夏期のみ。春期は週末のみ。1時間に1本)のバスで約1時間。座席は絶対2階がオススメ、景色の良い海側を確保すべし!10分ごとに出ている12番又は12X番のバスでEast Deanまで行ってそこから歩くこともできますが、距離はかなりあります。ちなみに、Seven Sistersに行く場合の最寄りバス停も同じ路線です(Seven Sistersはいずれにしても最寄りバス停から30分ほど歩く必要あり)。
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by uk-env | 2011-07-11 02:24 | ブライトンライフ
苦しい論文執筆
Iです。

完全に現実逃避でブログに逃げ込んでおりますが、今日までに、修論のtheoretical frameworkのパートを指導教官に送るという約束だったのに、夜9時になっても半分しか書けておりません。辛い…。

英国の気候変動委員会の設立目的は、to take climate change out of politics だとほとんどのインタビュイーが答えてくれました。気候変動以外にも多様な政策目標を持つ政府は、経済学でいうところの「時間不整合time inconsistency」の問題を抱えています。すなわち、政府が環境を守るために環境保全政策(例えば環境税の導入)を打ちますよ、と宣言すると、民間企業は、「ならば対策を取らねば!」というわけで(例えば)低炭素技術の開発・導入に投資します。ところが、民間企業が投資してしまってその費用がsunk costになると、政府としては、当初の政策目標であった環境保全よりも、当該政策による不利益(例えば輸出企業の負担→景気悪化とか)の方に対処するインセンティブを持つようになってしまい、環境保全政策をうつという当初の政策約束を破りたくなってしまいます。これが1回きりのゲームなら良いのですが、繰り返し約束破りが行われる場合、民間企業は政府を信頼しなくなってしまい、低炭素技術に適切な投資が行われず、対策費用が高くついてしまう、という問題です。

この、time inconsistencyの問題と、それを克服する方策として政府の権限を独立機関へdelegateするという理論は、金融政策を中心に70年代以降活発に議論されたお話で、利子率を決める各国中央銀行の高い独立性の根拠となっています。Helm, Hepburn and Mashが、この理論は気候変動政策にも適用できると主張し、英国における気候変動政策に関する独立機関の設置を提唱したのが2003年。

こうした論文は、経済学の素養のない私には非常に読みにくく…というより、いきなり本論一つ目の数式からしてほとんど理解できません。ほとんどイントロダクションとコンクルージョンしか意味が分からず、理解が浅ければ自分の言葉で書けないわけで…theoretical frameworkのパート、一向に筆が進まないのです。。

私は今年も15000 wordsなので、字数の相場観はあるつもりだったのですが、皆さん、theoretical frameworkのパートにどれくらい字数を割いているんでしょう?修士レベルの論文って、結局「新しいこと」にチャレンジすることよりも、既存の理論を正確に理解し、それをアプライできることを証明することに重きが置かれていることをより強く感じる今日この頃(1年目の時はものすごーく違和感があって、今思えば全く理解していなかった)。したがって、求められる形も、publishされている論文の形とちょっと違うわけで。元LSEの修士学生が2年前に書いた英国気候変動委員会に関する修士論文を読んでいると、いかにtheoretical frameworkが大事かというのを今更ながら痛感し、「頑張って2000 wordsは書こう…」なんてレベルの低い目標を掲げている私としては、溜め息が出るばかりです。
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by uk-env | 2011-07-10 05:44 | 大学(Sussex)
スコットランドの島々に恋して
Iです。

おそらくイギリス生活最後の旅となるであろう西スコットランド・Argyllアーガイル地方への旅は、お天気にも恵まれ、もう一度スコットランドの自然の素晴らしさを堪能する機会を与えてくれた神様に感謝、感謝。昨年の夏ハイランドを一周した際、一目で恋に落ちたLomond湖の西を北上するA82号線を、今回は途中で西に折れて、海へ向かいました。
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【Oban オーバン】
今回拠点とした港町です。古くから保養地として人気のあったこの小さな町自体には、さほど見るべきものはないのですが、ここから、インナーヘブリディーズ諸島への船がたくさん出ているので、アイランド・ホッピングの拠点には打ってつけ。Mull島行きのフェリーも、町の小ささに似つかわしくないほど立派です。
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【マル島へのフェリー】
フェリーで45分の船旅ですが、内海のため波がなく、ほとんど船も揺れません。左手にObanの真向かいにあたるKerrera島の緑を間近に見つつ、右手にArgyll本土の美しい山々を遠くに眺める、とても景色の美しい船旅で、gorgeousの一言に尽きます…。

- Obanの北側に立つDunstaffnage城
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- 真っ青な空・海!
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- Lismore灯台
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- Mull島で一番に迎えてくれるDuart城
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【The Isle of Mull マル島】
スコットランドで4番目に大きい島。島内で一番大きな町Tobermoryは、Obanからのフェリーが着くCraignureからバスで45分ほど北上したところにある、おもちゃのようにカラフルな家が立ち並ぶ可愛い漁師町です。Tobermoryの港には、1588年にスペインのアルマダ艦隊の攻撃を受けて逃げてきた船が、金貨をザクザク積んだまま沈んだという伝説があって、今でも時々宝探しが行われているとか。
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【The Isle of Iona イオナ島】
マル島を西に横断すること1時間余り。西端のFionnphortの目と鼻の先にある島がイオナ島です。ここは、6世紀に聖コロンバがやってきて、スコットランド・北イングランドのキリスト教布教の拠点とした歴史のある場所。この辺りの島によく見られる真っ白な砂浜と透明な海がとても印象的。
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【The Isle of Staffa スタファ島】
そもそも今回Argyllを最後の旅に選んだのは、この無人島スタファ島に行きたかったから。19世紀初頭にメンデルスゾーンが訪れて「フィンガルの洞窟」を作曲したその洞窟がここにあります。北アイルランドのジェイアンツコーズウェイのあたりにも見られるという、不思議な六角柱からなる奇妙な姿。この日は海も穏やかで、上陸できてラッキーでした。
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【食!】
食べ物に期待しちゃいけないイギリスにあって、スコットランドの海沿いは別格だと思われます。Skye島Portreeのシーフード天国と比べると、若干お店を選ぶ必要があるように感じましたが、Obanの港周辺にはテイクアウェイのショップも多く、気軽に海の幸を堪能できます。
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また、シングルモルトが好きな方には、アイラ島を始め、アーガイル地方の蒸留所めぐりはたまらないでしょうね。ObanにもTobermoryにも蒸留所、あります。日本人はすごいなと思うのですが、蒸留所に行くと必ずと言って良いほど日本人を見かけます。お酒にかける日本人の情熱って、さすがですね。
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by uk-env | 2011-07-06 09:57 | 観光・旅行(Leisure Trip)
どれ位、真剣に温暖化対策って進める必要があるの?
Uです:

現在コチラで温暖化対策のアンケートに答えていただけるよう、お願いしているところですが、これは今年の修士論文に必要なものです。

その論文ですが、現在のところ、究極のテーマを「日本やEUなどの先進国はどれほど気候変動対策に熱心に取り組むべきなのか、経済効率性の観点から考える。」として、
国際環境税の成立可能性、税率の設定と使途を例題に、人々は汚染者としての責任を果たす意味で、遠方の被害者への賠償にどれほど理解を示すか。
その国際的な認識・合意形成に当たって、気候変動の経済学がどれほど寄与するのか。

を調べてみようと思っています。以下、論文の導入部分のアイデアです(長文)。

まずは、問題意識です。

日本の場合、現在の国内対策の推進理由は、2012年までの先進国の義務を定めた京都議定書が求める1990年比6%削減の遵守です。これは現在のところ、図らずもリーマンショックや今回の大地震の影響などで目標は達成される見込みと言われています。

一方で、気候変動は50年以上の長期の問題と言われています。そこで2012年以降も、同じ論法で国内対策を進めようとすると、2012年以降に関する国際合意(いわゆるポスト京都)が重要になります。しかし、どれほどの削減対策を講じていくべきか、そして被害が生じる国に対する「支援」は、誰がどの程度の責任(費用負担)で行うかについては結論が得られていません。

この点を考えるに当たり、
国際的に同一である炭素の社会的費用を使い、国際環境税という一つのグローバルな政策に対して、各国の科学者、政策担当者、NGO、そして一般市民がどう理解・評価を示すかその声を集め、比較することで今後の国際的な気候変動政策のあり方を考えてみたい、

これが私の論文の狙いです。

次に背景です。

気候変動問題は「典型的な外部性の問題」(スターン2007年)と言われています。とすると、その対策は外部化している負のコストを内部化し、それと対策コスト(CO2の削減)を比較し、安い方を選択することが社会全体では、最も経済効率的となります。すなわち、「追加的な1トン当たりCO2の削減コスト」 vs 「追加的な1トン当たりCO2排出に伴う被害(外部化費用)」を考え、どちらが経済的により望ましいかを考えます。この2つのコストの均衡点が最も経済効率的とされ、この価格(1トン当たりCO2)のことを炭素の社会的費用と言います。

ここで言う外部性(気候変動による被害)ですが、具体的には洪水・干ばつ・津波・高潮・台風・海面上昇に伴う国土の消失・気温、降水量の変更に伴う農業への影響、生態系への影響、感染症の蔓延、難民・地域紛争などで、これは原始的な生活で自然により依存していて、かつ、経済的な問題から被害防止策を十分に行なえい発展途上国、特にサブサハラアフリカ・島嶼国などで長期的かつ深刻に発生すると言われています(IPCC2007年)。

もし、この被害額を“経済的”に求めることができれば、上記の経済効率性のための天秤にかけることが出来ます。しかし、実際には、その長期性・遠隔性から原因者と時間的・地理的に隔てられる傾向にあります。また、被害の幅も現在の市場経済の範囲内から、それを超えた生態系の価値、健康・命の値段、紛争・戦争・難民など社会的混乱に伴う被害額など多岐に渡るため、どこまでを確実に捕らえられるか、途上国を含めた世界中で可能なのか、など空間的な問題があります。

さらに、これらの被害額はその前提となる気候変動の度合い(代表的には温度上昇の幅)によって大きく異なりますが、それが現在の排出レベルだとどれほど進行するのかについても(1度未満から10度以内までと)かなり幅があります。これは言い換えれば、ハルマゲドン的な被害をもたらすリスクが少なからずあるが、このリスクをどう被害という意味で考慮するべきか、の問題でもあります。

加えて、時間的な面からは、気候変動の被害は長期に亘ることが予想されるため、被害額の算定には経済学的には、割引率という概念を持ち出す必要が出てくるが、これが論争の的となっています。市場の利子率、社会的割引率、低減割引率、超長期な問題、将来世代との均衡など重視するポイントは各経済学者によっても区々です。

こういった制約が存在する中、これまでの研究では様々な被害額が算定されており、CO2削減に伴う費用も同様に見積もられています。また、被害額は適応対策を行うことで減らすことが可能であることも分かってきました。これらを踏まえ、IPCCやスターンレビューなどでは、実際に炭素価格(炭素の社会的費用)を算定しています。

もし、炭素税や排出量取引などで、この炭素価格を排出行動に課されれば、排出を多少なりとも差し控えられます。しかし炭素価格を課しても、気候変動の被害は生じることに注意が必要となります。何故なら、たとえ外部費用が内部化されても、CO2は排出され、地球温暖化は悪化するからです。

このため被害者に対して当該炭素価格分の費用を配分されることが必要となってくるはずです。すなわち、被害は生じてしまうものの、それを金銭で穴埋めするという発想です。この考えに則り、国連(2010年)は各国政府、特に先進国に対して環境税を国際協調の下導入し、その税収を被害が予想される途上国の適応対策や削減行動のサポートのために拠出すべき、と訴えています。

ところで、現時点で、このような気候変動の被害額の補償・求償を行うスキームは国際的にも国内的にも存在しません。じゃあ無理して原因者が被害者に対して補償しなくてもいいじゃないか、という主張も考えられます。この点、国内問題として、訴訟大国アメリカでは種々の気候変動訴訟が提起されており、排出行動の停止や被害額の弁済などが求められています。これらの判決の行方が気になるところですが、追い風は二酸化炭素も汚染物質の一つとして連邦裁判所に認定されたことでしょう。逆風は、気候変動対策を推進する民主党が選挙に負けたことで、モメンタムが低下していることですね。

一方、国際的にはどうでしょうか。どこかの国が起こした環境汚染が原因で他の国が被害を被った場合、この被害額について弁償を求める仕組み、前例は存在するのでしょうか。もしなかった場合、法学的観点から、今後そのような仕組みが導入される可能性はあるのでしょうか。あるとしたらどういった紛争処理機関が調停をなすべきなのか、検証が必要でしょう。

また、現在から今後にかけて世界の政治力学(パワーポリティックス)も、大きく変化しそうです。G8からG20への拡大、アメリカ・機軸通貨ドルの衰退、BRICSの台頭、インドネシアが日本を経済規模で抜くという話もあります。アフリカも相対的には今より豊かになっていくはずです。国連の全会一致方式を前提とした場合、途上国に不利な気候変動問題の国家間調整はどのようにして成されていくでしょうか。排出国がこれまでの排出量に応じて被害国への金銭支払いを義務づけられる可能性(リスク)はどれほどあるでしょうか。これを「気候負債(climate debt)」という名で求める環境NGOの隆盛も気になります。

もし当該リスクが高い場合、そのための資金をいつ時点でどうやって工面するのかもポイントになってきます。例えば、支払いを20年後に求められる場合、その時点で税金等で特別徴収した資金を持って支払うことも可能です。しかし、その原因は20年以上に亘る排出によるもので、排出割合に応じて負担を求めるという公平さは担保されません。一方、現在から排出負担に応じて資金を集めた場合の弊害としては、20年にも渡りどうやってその資金を管理するのか、投資して運用益を増やすのか、その間の他への投資可能性を削ぐことにはならないか、など機会費用と効率性が問題視されます。

以上が、今後の経済効率的な気候変動政策を決定するに当たって考慮しなければならない事項と言えます。総じて言えば、もし、①被害額が少ない一方で対策コストが多くかかる場合、②被害額は大きいが将来の話で割引率を適用した場合現在価値はとても小さくなる場合、または、③被害額は現在価値でもなお大きいが原因者と時間的空間的に離れていて、弁済を強制される仕組みもない(又は今後も遡及する形で導入されることはないと予想される)ことから、排出に当たって特に考慮しなくても問題ないと考えられる場合などは、気候変動政策は停滞しがちであろうと思います。これらが、今まで気候変動対策が政治上大きく進展を見せてこなかった理由と考えられます。

これを日本を例に考えてみましょう。自国の被害額は相対的に少なく、世界の排出に占める割合も数パーセント。一方で対策コストは世界でもNo1と言われるくらい高いです。もし国外の被害への求償を考える必要がないのであれば、適当にお茶を濁しておくか、国外の対策コストの安いところで貢献する方が経済的にはよっぽどマシ、ということになります。間違っても世界に率先して25%削減などを提唱するのは経済効率的には間違っているかもしれません。

ということは、経済効率性を度外視してでも対策を進めようとする場合、モチベーションは別のところから来るはずです。例えばモラルの問題として、自分達が環境汚染をして貧しい人達や生態系を苦しめているのは耐えられない、というものが考えられます。また、外交上のプレゼンスを示すという意味もあるかもしれません。気候変動分野の国際貢献は、自らの誓約、すなわち高い国内目標を掲げ、国際的な支援・技術協力などを表明する、ということで達成可能な面があるからです。(逆に、一人よがりに「嫌だ、やらない」というと非難されます。)

他のモチベーションとしては、経済活性化策として新たな投資案件を創出するというものも考えらます。特に豊かになった先進国では物が溢れ、開発の機運も少なくなってきています。新たな需要を創出するという観点から低炭素経済、グリーンエコノミーへの変革というのは有効かもしれません。世界中で安全で高収益な投資案件を求めるマネーはいくらでもあると言われています。

ここでのポイントは気候変動関連投資が本当に高収益なのか、という問でしょう。すなわち、経済活性化のためにはより高付加価値な資金循環を促進する必要があり、もし他により収益の高い案件があって、その機会を食べてしまっているとしたら、機会費用の損失としてマイナス(気候変動投資の回収利益-他の高収益事業からの回収利益)を計上することも考えられるからです。これは相対的な問題であって、現在と将来の両方を見据えることが大事になります。

加えて、国際競争力も問題になります。電力・鉄・セメント・石油などの炭素集約型重工業は、炭素排出が宿命とも言えここに誓約があると、他の国と比べて国際競争力が削がれるという主張があります。

国際環境税自体はこれらの問題をすべて孕んだ大変難しい課題であるが、そこには今後の気候変動対策にどう立ち向かうべきかを示す重要な示唆が含まれているはずです。それをほぐして読み解き、公明正大に気候変動対策の必要性を議論して決定する、その必要が求められている気がします。

なぜならば気候変動問題は、国際問題でありながら、その担い手は国民一人一人という、国内問題でもあるのですから。
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by uk-env | 2011-07-05 03:38 | 大学(York Uni)