2009年から2年間、大学院で環境関連学を専攻するため、イギリスにやって来た私達の話 This blog is about us(U&I) coming to UK in 2009 for Environmental Study at master level for 2 years
by uk-env
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Japan supporting event in a small town
Iです。

バンクホリディの3連休初日。フラットのファミリーと一緒に、Brightonから車で30分ほど西のWorthingという近郊の町で行われた、東日本大震災支援のチャリティイベントに行ってきました。

企画は地元のカンフー教室の方々。日頃の練習の成果を見せる発表会の性格も兼ね備えているようです。というわけで、必ずしも日本文化の紹介が行われていたわけではなく、武術や獅子舞などのパフォーマンスは、私の目には中国色が強い印象でした(武術の知識が全くない私には、行われているパフォーマンスが一体何なのかサッパリ分かりませんでしたが…)。獅子舞に子供が脅えるのは、万国共通ですね!生け花の展示も行われていましたが、こちらも、全然知識がないので全く解説できず。お恥ずかしい…こういう場では、やっぱり日本文化を一通り勉強しておくのも教養の一部と痛感します。振る舞われている日本食は、妙に具だくさん(得体のしれない麺も入っていた)の味噌汁くらいで、もう少しガンバッても良いような印象も受けましたが、このくらいのゆる~い雰囲気でチャリティイベントが企画され、そしてそこに地元の皆さんが土曜日を過ごしに集まってくるっていうのは、却って「いいなあ」と思わせるものがありました。意外だったのは、アジア人が誰もいないことでした…まあ、国際色豊かなブライトンと違って、この辺の住民はそもそもイギリス人がほとんどなので、当たり前かもしれません。
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生憎の曇り空で、行き帰りのドライブ(行きはSouth Downs国立公園の中を行くA27、帰りは海沿い)での景色が灰色だったのは残念でしたが、こういう、名前も知られない、日本人コミュニティなど存在しそうもない小さな町で、日本のためのファンドレイジングが行われているのを知って、じんわり嬉しくなった週末でした!
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by uk-env | 2011-05-28 23:53 | ブライトンライフ
My supervisor is 'Japanese'
Iです。

夏学期も半ば。今期は授業は必修の研究方法論だけで、後は自分のペースで修士論文のための研究を進めていくことになっています。この時期、試験期間という大学も多いですが、1月に試験が済んでしまった私は、おかげで修論だけを考えれば良い環境。

さて、私の修論スーパーバイザーなのですが、春学期に履修して大変ためになったエネルギーの授業を教えていたSteve。彼、イギリス人のくせして、とっても真面目。授業もいつも淡々としていて、内容は面白いのに惜しいな~と思うことも多々あったのですが(偉そうですいません)、授業の構成はすごくしっかりしているし、時間をかけて事前準備をしているのが伺えます。そう、印象として、まるで日本人。

私が「修論のプロポーザルのドラフトを書いたので見てください」とメールを送れば、翌日には詳細なコメントが返ってくるし。そう言えば、春学期中に提出した政策提言書のコメントも翌日に送られて来ましたね(しかも詳細)。イギリスの相場観からすると、こういう感覚はあり得ませんから、普通。

仕事し易い相手であることは確かなんですが、結構プレッシャーにもなります。今日大学のカフェで、同じ職場の先輩と久々に会ってランチしているところに、Steveが登場。一人で黙々と論文を読んでいる姿に、私としてはそそくさと退場したくなりました(もちろん一声挨拶しに行きましたけどね)。

ちなみに肝心の修論の内容は、英国の気候変動政策に関して専門家の立場から意見を述べる気候変動委員会の評価を行う予定です。2008年の気候変動法に基づき設置された専門家集団で、2050年の削減目標や、炭素バジェット(5年毎の期間において英国が排出できる炭素の上限)などの重要なイシューについてrecommendationを策定します。法律上、主務大臣はこれを「考慮」することが求められており、recommendationに反する政策決定を行う場合は理由が必要になります。しかし、国際交渉は停滞、景気は引き続き低調、といった状況において、今月決定された第4次炭素バジェット(2023-2027)の策定に当たっては、経済官庁が気候変動委員会のrecommendation受容れに難色を示すという経緯もありました(結局首相判断で受容れ)。低炭素社会の構築に向けて、政府(政権という意味合いの強いgovernment)の短期的な政治的インセンティブに左右されず、確固たる長期的道筋を描くことを目指して導入された気候変動委員会という独立機関ですが、果たして、その目的がどれほどに達成されているのか、調べていきたいと思っています。
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by uk-env | 2011-05-24 08:05 | 大学(Sussex)
My first hacking
Iです。

乗馬を始めてもうすぐ半年。馬場での馬の扱いに少し慣れてきたので、ようやく外乗に行ってきました!

スクールはSouth Downs国立公園の中にあるので、1時間のコースでも、それはそれは美しい風景を堪能できます。乗ったのは初めての馬Jimmy君で、最初、言うことを聞いてくれなくて手こずりましたが、いつも馬場で乗っているSherlockやBadgerと比べると体が小さい分軽い感じで、トロットなどは軽く指示を出せば勝手に走ってくれるので楽でした(ただ、他の馬と同じペースで走ろうとするとかなりリズムの速いトロットになりましたが)。

しかし…事件は起こりました。今回、日本人の友達2人と一緒に行ったのですが、うち一人はアメリカ育ちで乗馬歴も長く、安定感抜群。他方、もう一人は日本での外乗経験はあったものの、きちんとしたレッスンを受けたことがなかったのです。結果、勢い余って挑戦したキャンター(駈足)中に落馬…。トロットは、ライジング(馬上でリズムに合わせて立ったり座ったりすることで、お尻への衝撃を防ぐ)ができなくても、まあ、バランスさえ取れていればあまり危険はないと思います。しかしキャンターは…20鞍ほど乗っている私も、まだサドルの前に付いているホルダーを握らないと怖いです。落ちた彼女は、まずホルダーから手が外れ、鐙から足が外れ、最後にはブーツまで脱げてしまった由。さらに、馬が崖に向かっていくので怖くなって自分から落ちたらしい。柔道の経験があったので、受け身が取れて大事には至りませんでしたが、膝を馬に蹴られたらしく、骨折はなかったものの腫れ上がっていました。体重数百キロの馬に本気でやられていたらこの程度では済まなかったでしょうから、おそらく馬もよけようとしてよけきれなかったというところだと思いますが。乗馬は危険なスポーツだということを思い知りました。(彼女のブーツが脱げて飛んできた瞬間、後ろを走っていた馬たちもパニックに陥り、私も、自分が落ちないようにするので精一杯でした。)

結局、イギリスでは乗馬が浸透しているので、「外乗に来るんだからある程度乗れるんでしょ」という暗黙の了解があったのだと思います。乗った側にもスクール側にも責任はあるのでしょうが、そのあたりの感覚は日本とは違うということは肝に銘じておかなくてはいけないですね(後で聞けば、落ちた彼女の日本での外乗はウォーキングだけだったとのこと…さすがにいきなりキャンター挑戦は止めるべきでした)。彼女のケガが大したことなかったのは不幸中の幸い。私はまだ落馬経験はないですが、自分の数倍大きい動物を相手にしたスポーツ、命にも関わり得ることを頭に入れてレッスンに励みたいと思います…。でもでも、そういうリスクを踏まえてもなお、本当に気持ち良いんです!帰国まで残り日数は少なくなってきましたが、キャンターをもっとしっかり練習して、もう一度外乗にチャレンジしたいです。
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by uk-env | 2011-05-16 07:21 | ブライトンライフ
イギリス地方選 UK local elections
Uです:

先週木曜日に地方選が全国で行われ、連立内閣の一翼、自由民主党が大敗し、野党の労働党が躍進するという結果になりました。
Last Thursday UK local elections took place, resulting in that the Liberal Democrats (Lib Dems), one of the coalition parties, lost their chairs significantly while the opposition party, the Labour, did make great slides (From online news).
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これも自民党がマニフェストを反故にして、保守党と共に負担増路線を邁進したところに国民の不満が溜まった結果というところだと言われています。それに加えて、選挙制度の改正に関する国民投票を実施して、支持を得られなかったこともありますが、これはむしろ上記の不満の真っ只中で選挙制度なんて聞いてくるんじゃないよ、という国民意識の表れの気がします(内容自体は真っ当なようなので)。しかし、マニフェストは一度作成したら、その政治責任を貫く必要があるのですね。日本のマニフェストにここまでの重みがあるでしょうか。
They say this is because the Lib Dems withdrew a large part of their manifesto and vigorously pushed forward the way of increasing the burden on citizens such as education fee in tune with the Conservative’s claims, causing huge complaints of their audience. Besides, the Lib Dems also could not get support for their proposal to amend UK national election system but this is also because of such complaints and inappropriate timing of asking this less politically prioritised issue compared to the other more outstanding problems (as their proposal itself is not so bad). This implies that once a party’s manifesto is issued, politicians in this party had better stick to it with taking their political responsibility. Do you think Japanese party’s manifesto is as ponderable and important and as a UK’s one?
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ここヨークでも地方議会の選挙が行われ、全国的な傾向と同じく、与党自由民主党が議席を失い、労働党がその議席を奪いました。自由民主党は昨年、全家庭に分別ボックスを配布し、家庭ごみのリサイクル率をこれまでの11%台から43%台に引き上げたことなどを成果として訴えていましたが、大きな不満の渦の前では、「そんなの関係ねえ」、ということなのでしょうか。
Likewise, the election for the York council took place on the same day and the Lib-Dems lost their chairs which were robbed by the Labour (from local newspaper). The Lib Dem actually appealed their achievements such as increase in the recycle rate of the household waste from 11% to 43% by distributing separate boxes to each home last year, which should not matter for angry UK voters.

ちなみに、当然ながら私達日本人在住者に選挙権はありませんが、一方、イギリス国籍がなくてもコモンウェルスの出身者だと投票することができるそうです。わざわざオーストラリアやカナダから王室結婚式を見に来るくらいですから、特別の関係があるのでしょうね。
On a side note, Japanese residents don’t have voting right as expected. On the other hand, dwellers coming from the other Commonwealth nations can vote for UK elections despite of their non-UK nationalities. Actually many people came to see "their" royal wedding from Australia, Canada etc etc - yeah, this relationship is still something special.
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by uk-env | 2011-05-10 18:39 | ヨーク生活(York life)
春のエッセー Lovely Spring Essays
Uです:

久しぶりの更新です。春休みを満喫するはずが、3本のエッセーを書き上げるのに忙殺されていました。
It has been ages to update my blog as I have just been up to the elbow in the following three essay works despite the spring vacation…

1. 生態系の経済評価 (Economic valuation on ecosystem)

環境経済評価の授業の期末エッセーで、テーマは「世界の生態系の経済評価が現状どれほど行われていて、今後どう進めていくべきか」。私は数ある生態系カテゴリーの中でも、温帯の草原・サバンナの貨幣評価について担当しました。生態系の経済価値については、1997年にコスタンザ他がグローバル価値を試算した以来、研究が進められ昨年の生態系保全のための国際名古屋会議(COP10)においても各国研究者が共同した新たな経済評価の結果が示されたばかりです。
This essay was a term paper of Environmental Valuation module and the theme was “to what extent has the valuations on the world ecosystem been conducted? How should we move forward?”. Among many ecosystem categories, I was designated to tackle “temperate grasslands, savannas and shrublands”. The value of the nature has been estimated since Costanza and his colleagues firstly estimated the global value in 1997, and last year new study on economics of biodiversity by world researchers was released at the global conference for biodiversity conservation in Nagoya (COP10).
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しかし、研究全体が発展途上にある上、私のカテゴリーは未だに金銭評価がほとんどなされておらず、昔のデータを流用して試算されているのが現状です。草原・サバンナは広大な割に人口はほとんどおらず、木材、エネルギー、食材などの利用価値も少なく、またCO2の吸収といった効果やレクリエーション価値も相対的に目立たないためと考えられます。結果として、現状面積当たりの経済価値は熱帯雨林や海洋などと比べて極端に低いです。
However, this research field is under development and my ecosystem category has hardly been monetised so far – estimation has been done mainly by using the old data. I feel this is because (1) grasslands are so vast with a handful of population, (2) there are few direct use materials such as timber, fuels, and food, and (3) the effect of carbon storage and the recreation value are modest compared to other ecosystems. As a result, the value of temperate grasslands, savannas and shrublands per hectare is extremely lower than that of marine ecosystems and tropical forests.

今後は、全生態系の中での優先順位を前提に、例えば年々増加しているサファリの観光客に対してサバンナのレクレーション価値を聞き、料金に反映するなど実用的な経済評価に着手するほか、他地域にも応用できる自然科学をベースとした経済価値(面積当たりの家畜の生産性や種別のCO2吸収効果など)の研究を更に進めることで費用効果的な経済評価を可能とすること、さらに、貨幣価値を通じた生態系保全の機運を高めていくことが必要となるでしょう。(提出したペーパーはこちら)
Several implications may be thus needed in consideration of its priority among all the ecosystems: 1) to conduct practical valuation studies on recreation values of safari tours for international tourists, enabling to adopt this result into the tour fees; 2) to continue natural scientific research on the biological and physical functions of grasslands for monetary values (e.g. cattle productivity per ha; carbon storage by grass species) in order to transfer those results to the other areas for economic-efficient valuations over the world; and 3) to raise pubic awareness on conservation for this ecosystem through showing its monetary value. (See my submitted paper from here

2.海洋保全のプリンシプル (Principles on marine conservation)

環境法と政策の期末エッセーで、テーマは「海洋保全のための法的政策に問われる原則とは何か。異なるガバナンスや政策手法によってどうその原則を満たすことが課題となるかを述べつつ論ぜよ」。トップダウン型の海洋保護区と共同管理型の譲渡可能漁獲量個別割当制度を例に、両政策が6つの原則(持続可能性、汚染者負担、予防原則、衡平確保、人権尊重、全員参加)をどれほど達成しうるか、を論じました。
This term essay is for Environmental Law and Policy module, arguing what principles are considered in legislative approaches for marine protection with examples of different governances and implications, highlighting challenges to achieve those principles. My paper discussed to what extent the two different mechanisms, 1) top-down based MPA (Marine Protected Area) and 2) co-management based ITQ (Individual Transferable Quota), could meet the six principles for marine conservation (1.sustainability; 2.Polluter Pays; 3.Precaution; 4.Equity; 5.Human rights; 6.Particpation).
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その結論として、いずれの政策を採っても科学的根拠や不確実を踏まえた区域や漁獲可能量の設定が必須で、社会的に平等な汚染者負担を徹底させるためにも海洋生態系の経済評価を更に進めるべきこと、特定の団体のみの意思決定プロセスへの参加を抑制するため、市民への海洋生態系保全の啓発を促し、協議会への参加を求めること、完璧な政策はないのでポリシーミックスを検討すること、などが必要な措置として挙げられます。(提出したペーパーはこちら)
In conclusion, regardless of adopting either approach, several implications are needed to assure those principles: (1) evidence-based decision making on the boundary of the protected area or the amount of harvestable fishes, based on scientific knowledge and its uncertainty; (2) acceleration of economic valuations on marine ecosystem to deploy socially equitable polluter pay principle; (3) raising public awareness on marine conservation and pushing them to join decision making boards in order to prevent the control by only special interest groups and encourage trust among stakeholders; (4) consideration of policy-mix as no perfect single instrument existing. (See my submitted paper from here

3. 英国カーボンフットプリント (Carbon foot print in the UK)

気候変動と管理の授業の期末レポートで、「イギリス家庭の食生活を変化させることでカーボンフットプリントがいかに減少し、英国の2020年の温室効果ガス削減目標に寄与するか、シミュレーションしなさい」というもの。使ったのはREAPというソフトウェアで英国各地方ごとの住民一人当たりのカーボンフットプリントのデータを使って将来シミュレーションを行うことができます。食生活の変化は、具体的には(1)食品廃棄物の削減、(2)ヘルシーな食事バランスへの変更、そして(3)国産の食料品の積極購入の3点に着目しました。
This report was written for Climate Change and Management module with a discussion about simulation of reducing carbon footprint by changing food habits in UK and to what extent this would contribute to UK 2020 CO2 mitigation target. I used a free software “REAP” to simulate the future food scenario with the data regarding UK carbon footprint per capita in 2006 by region. This report assumes the change of food habits would occur in the three dimensions: (1) reduction in food waste; (2) improvement to healthier diet proportion; and (3) choosing more domestic food.
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シミュレーションの結果、仮に上記3点がそれぞれ理想的な食生活を達成した場合、カーボンフットプリント削減量は必要な国民1人当たり削減量のそれぞれ10%、20%、10%を占め、これらを複合し、かつ再生可能エネルギーの利用を大幅に進めたとしても50%に満たないことが分かりました。CO2を20%削減することがいかに大変かが分かります。しかも、上記3点の達成は決して簡単ではなく(1)は現状理想的な削減量のほんの数%しか削減できておらず、(2)は食事バランスはここ数十年間一向に変わっておらず、(3)は食料自給率が100%に満たないため、国内農業・畜産業の大幅増産を行う必要があります。
As a result of my simulation, if UK residents achieved those three habitat changes in ideal ways, the amount of expected CO2 emissions reductions would account for 10%, 20%, 10% of the total required reductions from households by 2020 respectively, and if combining those three scenarios with substantial deployment of renewable energy sources, the total reduced CO2 emissions would be still just less than 50% of required emissions reductions level. This tells us that how demanding UK 2020 mitigation target for households is! Moreover, the foregoing food habitat changes are far from straightforward: (1) just only a few percentage of ideally avoidable waste have been reduced; (2) Food balance has not changed so drastically for the last decades; (3) UK food self-sufficient rate is far below 100% so that drastic increase in production from UK agriculture is needed by 2020.

これらを達成するためには、それらを進めることが如何に費用削減や健康増進、地域経済の活性に繋がることをアピールするほか、国際協調により炭素税などで価格インセンティブを働かせることが考えられます。一方で、カーボンフットプリントは揺りかごから墓場までの総CO2排出量を測定するもので、輸入品の場合、国外のCO2排出量も含んでいますから、国別削減目標を考える時には国内排出分と国外排出分を峻別できる必要性も指摘できます。(提出したペーパーはこちら)
Therefore, to achieve those goals, we need an effective advertisement about how those changes are beneficial for UK people in respect of cost saving, health, and local economy. Besides, global cooperated carbon tax is also recommended to incentivise CO2 reduction. On the other hand, carbon footprint simulation itself should be elaborated more to distinguish domestic and overseas emissions because the national mitigation target only captures the former. (See my submitted paper from here

以上です。5月・6月には試験があり、7月下旬に帰国するまでに卒論もやり遂げなければなりません。引き続き、がんばります。
That’s all. As many exams take place in this May and June plus dissertation should be tackled before my return to Japan in the end of July, I will keep to do my best…
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by uk-env | 2011-05-09 19:46 | 大学(York Uni)
Summer term has started
Iです。

5月に入り、夏学期が始まりました。春休みの課題もどうにか提出。いやいや辛かった…。5000wordsを2本というのは量的に初めてで、当たり前ですが3000wordsレベルとも15000wordsの修論レベルとも違うテーマ設定と構成の感覚の違いにちょっと戸惑いました。

1. 気候変動及びエネルギー政策
「"Nuclear power is essential for both reducing Japanese carbon emissions and ensuring Japanese energy security." Discuss.」

震災後、俄然ホットなトピックになってしまったのは全くの計算外。4月半ばになってようやく重い腰を上げて取り掛かりました。

まず、energy securityの概念整理。国により時代により意味の違ってくるエネルギー安全保障ですが、その内容は基本的にはavailabilityとpriceに集約できる(IEA)。これを脅かすriskについて、化石燃料のscarcity、外的撹乱、内部インフラ不足、に大別して論じ、原子力発電がこれらの観点でどうエネルギー安全保障に寄与するか議論。続けて、現在の気候変動の科学が求める排出削減量の膨大さを踏まえて、オペレーション段階ではゼロエミッションの原子力のアドバンテージをさらっとおさらい。その上で、原子力発電が包含するリスク(安全性、放射性廃棄物問題、核拡散)について述べる。

それからようやく日本の文脈に入って、エネルギー安全保障確保の観点から化石燃料依存から脱することの重要性と、一定の高いエネルギー効率に到達してしまって排出削減の限界削減費用が高いことを議論。そうした状況で2030年までに原子力発電14基新設を掲げた昨年のエネルギー基本計画に触れつつ、現状、いかに原子力がエネルギー安全保障と気候変動対策の切り札になっていたかを述べる。そうしてやっと自分の議論に。他の選択肢も含めた比較考量になるが、まず、短期的には原子力なしでは無理。長期的には、現在の投資や政策で環境を変化させられるが、仮にエネルギー保障の確保の上でも気候変動への対処としても魅力的な再生可能エネルギー中心で行くとすれば、課題克服・普及のための膨大なコスト負担が必要。他方で、原子力についても、必要な安全性レベルが上がり、政治的にも地元対策(電源三法も含め)で膨大なコストがかかることを踏まえると、拭い難いリスクを抱え、かつ再生可能エネルギーとの電源ミックスとして相性の悪い原子力に大幅な投資をすることは正当化し難い。再生可能エネルギーの課題克服に費やした方が良い。

という流れで書きましたが、う~ん、5000 wordsじゃ十分な分析はできなかったです。全体的に「浅い」仕上がりになった感が否めません。。課題設定がちょっとアンビシャス過ぎたかも、というのが反省。

2. サステナビリティのためのイノベーション
「Low carbon road transport systems in Japan: within analysing the potential for ‘next-generation’ vehicles in compact cities using the multi-layer perspective」

セオリーをケーススタディに応用することがペーパーの目的である、と口を酸っぱくして教官が言っていたこのモジュール。修士2年目にして、未だにこのスタイル、苦手意識があるんですよね、私。

元々、全く知識のなかった運輸部門、とりわけ単体対策について勉強したいとボンヤリ思っていましたが、multi-layer perspectiveをセオリーとして使うことに決めた時点で、もっと幅広い社会システムを見る必要に直面。こじつけ気味に「in compact cities」を追加。

まずはセオリーというわけで、イノベーションを「ランドスケープ(長期的にはゆっくり変化するが、誰かが変えようと思って変わるわけではない大きな環境。人口動態、政治環境、経済状況など。気候変動もここ)」「レジーム(技術のみならず、市場、規制、税制、人々のマインドセット等、各種の社会経済システムが複雑に絡み合ってできている現在の社会の仕組み)」「ニッチ(イノベーションの種になり得るが、安定的なレジームと比べて競争力がなく、レジームをreplaceするのはなかなか難しい)」の3つの層の相互作用の中で見て行くmulti-layer perspectiveについて。続けて、どうsub-optimalなレジームをdestabiliseしてニッチの発展を促進するかというTransition Managementについて。技術に関しては、単に技術のサプライの問題だけではなく、どう使われるか、需要側の対策が重要になる。イノベーションを促進するpublic interventionにおいて必要なのは、扱う範囲を特定し(政治的issue)、関係者がビジョンを共有し、向かうべき方向性をハッキリさせることであり、これを議論するための関係者のプラットフォームづくりが必要、云々。

ケーススタディとしては、環境モデル都市のひとつ横浜市を選び、運輸部門にフォーカスしつつ、策定されたアクション・プランとその策定過程について分析。自動車単体対策と街づくりの観点では、レジームの要素の複雑な絡み合いについて十分認識されているが、分析範囲の特定やビジョン策定においては政治的legitimacyが問題になるところ、策定過程で市民の十分なインボルブがなく、特にニッチ(例・日産の電気自動車)の発展促進に関しては、産学官の連携は良いが、「誰のビジョン?」が問題になる(日産のビジョン?)。ここから、multi-layer perspectiveの理論の限界として、Transition Managementで必ず直面する政治的legitimacyの問題には対応していない、というようなことを書きました。

ともあれこれで残すは修論のみ(修論の研究計画の提出は別途ありますが)。一息つく間もないですが、2年間の総まとめとして心残りのないよう、頑張りたいと思います。
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by uk-env | 2011-05-04 03:05 | 大学(Sussex)